【181208】厳冬期ナイトウェーディング。アジング編

【181208】厳冬期ナイトウェーディング。アジング編

雪が降るかもしれないという日に遠征し、ウェーダーを履き、闇夜の海の中を歩行し、時には股下まで浸りながら秘境まで歩き続ける。しかも、足元はゴロタと呼ばれる大小の石ころがトラップのように一面敷き詰められており、一歩間違えれば上体を崩し真冬の海の中にドボン。

想像のとおり、ポイントに辿り着くためにはあらゆる難所が待ち受けている。

それを、15分以上かけて進まなければならないのだ。ポイントに辿り着いたとしても、寒さと風という悪魔が長時間じっくりと身体の熱を下げようと微笑みながら待ち構えている。

しかし、あらゆる障害を乗り越えて向かう先は大アジの楽園。それもアベレージが30センチ級。20センチ級なんか此処では小さいと称される。

そんな楽園。あんただったらどうする?ちなみに、この楽園。離島ではない。本土だ。

私だったら即決のGOだ。行くしかない。

そんな楽園はディズニーランドかUSJしか知らないのだから。むしろ、人が多すぎて行きたくもない。

 

そんな厳冬期の秘境探索。

あらゆる防寒防風対策を施し、夜道の行進に最新の注意を払い、例えその道が困難であったとしても、例え冬の寒さがじんわりと私の身体を蝕もうとしても。私は進むであろう。

 

私はきっとバカだ。いや、間違いなくバカだろう。そしてなにより。私を楽園へと誘ってくれたポイントを切り開いた釣友もバカだ。私よりも絶対に。しかし、そのバカのおかげであんたは「こたつ」と「テレビ」と「みかん」という最強の三種の神器を駆使して暇を持て余しながらバカの帰りを待ち続け、冬をいざ乗り越えんと肥えて脂の乗りまくった絶品のアジを贅沢に食すことが出来るのであれば、そんなバカも捨てたもんじゃないだろ?

なぁ、妻よ。そんな夫でもいいじゃないか・・。もう少し出撃回数を増やしてもいいじゃないか・・。

 

今回の記事は、そんな厳冬期闇夜の秘境アジング編を書こうと思う。

くれぐれも、この記事を読んだあと、いても立ってもいられずに準備不足で家から飛び出すことは避けて頂きたい。冬将軍と対峙するのはそんなに生易しいものじゃないからな。織田信長的な将軍だから、何をするか分からないよ。

 

出立準備

防寒着

レイヤリングという言葉を知っているだろうか?

冬将軍と渡り合うには、防寒着選びも必要だが、レイヤリング(重ね着)も重要になってくる。

もちろん最重要なのは、防寒防風対策をしつつ釣りというテーマを妨げないということ。

それをしっかりとわかりやすく説明しているのが、チープさんのブログ。

もうこのブログを読めば大丈夫。むしろ、必要情報を探しているのであれば、そちらを読んだ方が絶対にタメになるよ。

 

釣り道具

いろんな釣りをしたことがあるが、私自身「アジング」という釣りをしたことがない。

だから、それなりに道具を買ってみる。もちろん、自分の屈折したこだわりを持ってね。

まずはリール。

このリール。国内最大二大メーカーのシマノさんやダイワさんのリールではありません。

釣具のポイントでお馴染みの株式会社タカミヤのオリジナルブランド「リアルメソッド」のリールのカロスさん

このリールは後にインプレッションするとして、アジングやエギングのライト系リールがなかったので購入。安くてベアリングが8個もついているのは、購入時の価格6900円の相場ではこのリールしかなかった。ということで購入。

 

そして、ラインはエステルラインを選択。

理由は、今まで使ったことのないラインだったから。この選択で地獄を見る羽目となるのだが、それは釣行編で書くとして割愛。

後は必要そうなものを購入して、釣友と合流して遠征開始。

 

釣行

ポイント到着

秘境に辿り着くには、潮が引いていない時ではないと渡ることができない。

それが故に秘境と呼ばれるのであるが、到着した当時は潮が満ち満ちとしていたことで、潮が引いて渡れるようになるまでは付近の波止場でカロスとエステルラインの試投をすることに。

 

闇夜に向かって第一投。ルアーは18gのジグ。フルキャストは怖いから優しく投げる。今までPE4号や2号を使っている身からすれば、0.4号のエステルラインなんて恐怖しかない。

細いラインだから結構飛んだことが、右手人差し指のサミングの感触を通じて分かった。そして、カロスのリーリングは滑らかな巻心地。大手メーカーの同価格のリールよりも増しなのではないか?と思えるほど、カロスというリールが何かしら劣っているようなことは感じなかった。

 

そして第二投。なんだか、ザラザラする違和感をロッドが捉える。そして、その違和感を継続しながらリーリングを続けていると完全に引っかかってしまった。

どうやら、対面の波止がジグに喰らいついたようだ。

目測を誤った自分の責任でもあるが、イメージよりも実際にはエステルラインが飛距離を向上させているようだ。もちろんラインブレイク。ザラザラしている部分のラインを大幅に切りとって、再度ノットから組む。しかしこのエステルライン、摩擦系ノットの代名詞であるFGノットが使えない。

リーダーに接続しようと何度も試みるが、どうやら「結ぶ」という行為が苦手な模様。だから、逆FGノット。つまりは、エステルラインを軸として、リーダーで編み込んでみるとしっかりと接続することが出来た。

なんだか、高切れの懸念が大きくなりすぎて、ジグから3号のエギを選択し第三投・・第四投・・第五投・・徐々にキャストの力を上げていき、次の第六投目。初のフルキャストで予想したとおりの高切れを起こし、選択したエギは初のフルキャストでイメージしていなかった角度で闇夜の彼方へ飛んで逝った・・。

なんだよエステル!!

と嘆きながら、潮が引くまで車中待機。

他ブロガーのエステルラインの記事を読み漁っていると、自分がエステルラインを選択したことを後悔する文面が載っていた。

どうやら、ジグ単専用の模様。

おそらく、エステルライン使いのアングラーがこの文章を読むと、そりゃそうだわ。と思うことだろう。しかし、自分で失敗しないと分からないのが人間だ。いくら先人の知恵や他山の石があったとしても、それはあくまでも参考にしかならない。だから、自分で経験しないと分からないことがいくつだってあるのだ。戦争がいつまで経ってもなくならないこととおそらく同じじゃないかと思う。同じではないようで、同じなのかもしれない。

しばらく悶々と後悔していたら、潮が引きはじめ秘境への道が開かれる。陸伝い歩ける陸路が見つかった。私はなんとなくこれはモーゼの片側版と名付けることにした。しかし、エステルライン・・。これからが本番にも関わらず、秘境に辿りつく前に、自分の選択したラインにガクガクブルブルと怯えることとなった。

 

秘境 〜実釣序盤〜

ヘッドライトの恩恵を受けながら、足場の安定しないゴロタを進む。何度か足が滑り危ない場面があったものの、倒れることなく秘境へとたどり着いた。

防寒対策をし過ぎたかもしれないと思うほど、服の内部は熱がこもっていた。しかし、おそらくアジであろうライズが多々目撃したことから熱の開放をあとにして、すぐさま優しく第一投。チョイスはシマノさんのTGエース15g。

 

右頬から左へ抜ける強烈な横風でラインが流されるのを避けるため、キャストしてすぐにロッドを寝かせてテンションフォールでジグを着底させようとした矢先、ロッドが何かしらの感度を捉える。すぐさまラインスラッグを取り除き優しくアワセる。アワセが遅かったようで掛からず、再びテンションフォールの後に感度を検知。再びアワセると掛かった。

ラインが出されながら、ひたすら巻き上げる。手前にブレイクがあるのは事前に釣友から聞いていたので、ロッドを立てながら引き寄せていく。魚影が見えた頃にはアジだと認識できた。そのまま波に乗せてゴロタの上にズリあげると、20センチはありそうなアジだった。

このサイズのアジになると、こんなに走るんだ!

それが、第一の感想で第二の感想はこのサイズでも秘境では小さいということ。ファーストフィッシュを第一投で釣り上げることに成功した事実は私の緊張感を限りなく緩めさせてくれた。

続けて第二投。

第一投ではおそらく表層で喰った印象から、表層でアクションを掛けながら引いていく。数回の反応をロッドが検知したものの、バイトまで至らずそのまま巻き続けていると手前でも感知していたから、ラインブレイク覚悟でそのままリーリングを続けていたら一番気をつけていたブレイクに引っかかってしまった。やはり、ライト系では地球にかなうはずもなくラインブレイク。再びFGノットを組むことになる。どうやら急激な駆け上がりがあることが身を通して分かった。

ちなみに私がノットを編んでいる間に、釣友は3匹の秘境アベレージ級を釣り上げている。

秘境 〜実釣中盤〜

すでに釣友との釣果の差がとんでもなく出ていた。

釣友5匹に対し1匹・・。序盤の序盤とは違って、アジはボトム付近に集まり、遠距離に投げた方が喰う状況のようだ。しかし、時合いはまだ続いていて、アジにとっては大きいシルエットであろう18gのメタルジグにも喰ってくる。しかし・・。エステルラインを選択した後悔が幾つもの波のように迫っては引いてを繰り返しながら襲ってくる。飛距離を稼ごうとフルキャストすれば高切れ・・。ボトムを狙えば根掛かり・・。まだ秘境で釣行を開始して30分も経過していないにも関わらず、どうすることも出来ない状況に途方に暮れることしかできなかった。

 

しかし、ここで神の手発動。釣友のサブ機である月下美人(PEライン)を借りることに成功。初のフルキャストが成功し、着水してすぐのテンションフォール中(おそらくボトム付近)に喰ってきた。

しかし、この魚は走る・・。これは間違いなく1匹目のアジよりも一回りも二回りも大きい奴に違いない・・。手前に来ても抵抗は止んでくれず、ラインブレイクしないかヒヤヒヤしたが、そこはPEライン。ブレイクさせずに陸へ寄せる。神様さまさまである。

しかし・・。釣れたのは大きなエソ・・。目測50センチ前後のエソが釣れた・・。オフショアでもそこまで大きなエソを釣ったことがなかったから、ショアでこんな大きなエソが釣れたことでこの秘境のポテンシャルの高さが垣間見えた気がした。しかし、エソ。もちろんリリース。

 

その後、どうにかアベレージ未満のアジ1尾を追加したところで、この秘境をフロンティアした釣友が用事を済ませて遅れて登場。こんな寒い日に仲間が増えるというのは感謝しかない。

徐々に時合が沈静化していることは分かっていたが、こんなに釣れなくなってしまうとは思わなかった。これが噂のアジの時合い。釣れる時はとことん釣れて、釣れない時はとことん釣れない。それでも集中力は持続して釣果を出そうと悪戦苦闘していた。

時合いの沈静化と共に、今度は冬将軍がじわりと襲ってきていることを手足の末端が伝えてくる。

そんな寒さのなかを、なんとか粘って時合いの終わっていないアベレージサイズのアジを釣り上げることに成功し、その後ジグを想定外のレンジでロストしてしまい、持ってきたジグが空っぽになってしまったのを機にエギングに切り替えた。

 

秘境 〜エギング〜

おそらく今年2回目のアオリイカエギング

手前のブレイク回避として選択した10fのシーバスロッドがこんなに邪魔になるとは思ってもみなかった。とにかくシャクリにくい・・。そして、強烈な横風・・。果たしてこのままエギングしてもいいのか・・。そんなことを考えてもジグを全てロストしてしまっている自分に選ぶ権利なんて選択肢はなかった・・。とにかく今持っている一枚のカード、エギングでひたすら耐えて次の時合いまで我慢しなくてはならない・・。

闇夜と風の猛威でエギがどんな沈み方をして、どんなアクションをしているのか全く想像が出来なかったけれど、20のカウントダウンをしてから、流れに流れたラインをトレースするようにしゃくっていく。

すると、何かゴミが引っ掛かった。と、思っていたら、スースースーと引いていくではないか!

忘れてたぜその感動!!イカがヒット。

上がってきたのは500gに満たないサイズのアオリイカ。厳冬期にアオリイカを釣ったことがなかったからか、殊勝に嬉しく思い、秘境の素晴らしさをただただ讃えるしかなかった。

しばらくして、若干のポイント移動をして第一投目で先程のアオリイカよりも大きく引くイカが掛かるも、はずれる・・。その後、エギをしゃくり続けるも、掛かることはなかった・・。

 

秘境 〜終盤〜

気温はどんどん緩やかに下がっているようで、手足は完全に冷たくなっている。集中力はまだ保てているが、改めてノットを編み上げることが難しくなっていた。

そんな午前3時過ぎ。

眠たくなってきた。

せっかくの秘境だから、眠気を退けなければならないと思い、寒さと眠気を取り払うためにとりあえずマエケン体操をしながら、この状況をどうにかしようと思うも過度な発熱には至らず、結局ふたたび石ころの上に座ってしまった。

せっかくの釣りだ。しかも遠征で、秘境の地。もちろん、眠らずに釣りをすることは出来る。しかし、その後のことを考えると眠った方が間違いなく良い選択であるだろう。

釣行を終える→自宅まで帰る→娘と遊ぶ。

そう。私は娘と絶対に遊ぶと約束をして、妻は遠征に許可を出し、私はその条件を確約して秘境に来ているのだ。間違いなく、此処で眠らないと娘との約束は果たせないだろう。

睡魔の誘惑も相乗効果となって、眠る決断をせざる得なくなってしまった。もちろん、眠る場所なんてどこにもない。風を避ける場所はあっても、寝床はキンキンに冷えた石ころの上である。

それでも眠ることが出来たのは、間違いなくレイヤリングが冬将軍の魔の手から守ってくれたからである。

私は眠った。眠りは浅い方だと自覚している私ではあるが眠ることができた。

 

 

目を開けると、朝日がうっすらと遠くの山から垣間見え、その手前の山々の輪郭がはっきりと分かった。

遠くに映える荘厳な風景と、手前には二人の釣友の背中。美しい。美しすぎる。最高の世界だった。

私は朝マズメにも関わらず、ひたすらその光景を慈しむように眺めた。それには理由があった。

身体の胴体以外の全てが冷たくなっていて、痺れたような感覚がして動けなかったのだ。ただただ友の背中を見ることしか出来ず、寝転んだ状態のまま頭だけを回転させて対策を考えるしかなかった。

そうだ。まずは胴体に近い部位から発熱させよう。

まずは身体を起こす。そして、流木を持って早素振り。結構な回数をこなしたら、すぐさまウェーダーが破けない程度に屈折させてスクワット。さらに腕立て伏せを開始する。腕立て伏せは5回ぐらいしたら、呼吸が荒くなった。

少しだけ発熱した血液が体中に回ることを知覚しつつ、釣友たちとおはようの挨拶をして、秘境奥地への開拓という名の散歩へ出る。

なんら良質な情報を得ることは出来なかったが、体温が充分に戻ったところで釣りを開始したその数投目で何かがヒットしたものの、根に巻かれてラインブレイク。

釣友から借りたジグをロスト・・。

すぐさまノットを編み込むもタイムオーバー。

帰り道が潮で閉ざされる前に帰ることになった。

その途中でベイトが表層に浮いているのを発見。ジグサビキを見つけ、それを付けてキャストするも、手前で何かしらの魚が喰ったものの、再び根に入られてロスト。「後悔なんてもうしねぇ!」と思えるほどに、完膚なきまでに充分な釣りを楽しんだ。

 

備忘録

① 防寒対策でも無理がある。→今後はホッカイロを準備したい。(そして寝る)

② 想定外のロストの多さに焦る。

③ 秘境サイズのアジの釣りはアジングというよりは、間違いなくショアジギ。

④ 風が強い→ジグ一択→エステルラインは後悔しかならない。むしろ冬将軍と同じく敵。

  ジグならPEライン。

⑤ 10fは必要ない。

 

帰宅後

冬将軍が見守る中を仮眠できた恩恵か、正午前に家にたどり着き、眠気眼で子供と遊び、それでもパパモードを維持しつつ、夜には妻の作ったカレーライスを家族で食べた。そして、子供が寝静まった夜、やっとアジを捌くことに着手。

まだまだ私の夜は長い・・(泣)。

そして、アジを捌いて出来上がったのがこちら。

撮影が下手で申し訳ない限りですが、アジなのに、脂が乗りすぎて身が白かったです。

本当は、中骨を抜いて身を厚く切りたかったのですが・・。

味は絶品。妻と私でまるまる2尾を喰らいました。

 

続けて、アオリイカがこちら。

甘みがあって、濃厚で私はヤリイカ系も好きですが、甘みの突出しているアオリイカも好きです。

ゲソは熱湯にさっと浸して湯引きのような感じで頂きました。

最後にこちら。

アジとイカのリュウキュウ丼。

吠えることを我慢しないといけない程の美味しさで、アツアツのご飯と絶妙でした。

 

 

今回の秘境釣行で、アジやアジングの定義を上方修正として上書きしないといけないレベルでアジが美味しかったです。

また、妻の秘境許可も条件付きではありますが承認をもらうこともでき、最高の遠征となりました。

最後に、一番大きなアジの計測をしたところ、31センチ約300g(血抜き後)ということで、初アジング(ショアジギング?)にして尺アジをゲット致しました。釣友に敬礼!!

次回はさらに対策を施して釣果アップを目指したいです。

 

読んで頂いた皆様に敬意を。

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