高山一実著書、トラペジウムを読む。

昨年の12月のはじめ。
久しぶりにジャケ買いしてしまった本がありまして、それが高山一実さんの「トラペジウム」という本になります。
その表のジャケット(装画)がこちら⇓。
かっかわいぃ!!
一目惚れっす!!
裏面はこちら⇓
買う!絶対買う!!
ということで、家に戻って来て帯をみると、どうやら乃木坂46メンバーの子の小説らしい・・。
30代前半のswitch。結構音楽を聴くことが好きな私ですが、私の通ってきた音楽道の中にアイドルソングやポップといった歌のジャンルをスルーして今まで生きてきているので、乃木坂が国民的グループであることは知っていますが、そんなグループの歌をじっくりと聴いたことがありません。
なので、この本がswitchにとっての”アイドルとの初邂逅”となります!
最近書店めぐりをしていると、この本が入荷待ちで書棚に積まれていないことをよく見かけます。
買っててよかったと思う反面、2019年2月現在も読了していなかったので、さっそく読んでみました。
まずは、高山一実さんという小説家兼アイドルを紹介しようと思います。
高山一実さんとは
◆ 生年月日
1994年2月8日生まれ
◆ 出身
千葉県南房総市
◆ 人物
乃木坂46 第1期メンバー。
愛称は「かずみん」。
特技は剣道(二段)、趣味は読書と写真。
読書をするアイドルって意外だなぁーと思いながらウィキをチェックしました。
なんだか、書けば書くだけエセファンだということが露呈してしまうので、ガチのファンから怒られそうなので留めます。
読了感想
主人公がアイドルになるまでのストーリーです。
帯の裏面に又吉先生と同時に芥川賞を受賞した羽田圭介先生から、
「時折あらわれる、鋭い”いじわる”表現が良い」
と感想を言われているとおり、文章のところどころに優しい棘のような感覚で、
“先ほどの心的外傷が足を引っ張り・・”
や
“角膜レベルでの変態は救いようがないため、・・”
などと、表現が多彩で、
“ネイチャーの影響をもろに受けているプール”
や
“カットモデルのハント並に大変そうだが、・・”
などの表現なんか、綿矢リサ先生の小説を読んでいるような気にもなり、ここ最近の“いじわる”表現を用いる棘使いの作家さんの中でも最新式の”いじわる”表現の使い手だなぁーと思いました。
帯の表面では、映画「十二人の死にたい子どもたち」の原作者である中村文則先生が、
「これは一つの青春の終わりから、次の青春へ向かう物語」
と言うように、人生においての光と闇の明滅の激しい物語だと感じました。
アイドルにならないと分からない、アイドルの立場になってからではないと書けない。そんな小説です。
最後に
トップアイドルが書いた小説・・。(ジャケ買いした後に気づいた・・)
ということで、switch自身斜めに構えて読んでいましたが、そんな自分を殴りたいくらいに立派な小説でした。
むしろ、終盤の展開は凄いと思いますし、実際のアイドルが書いたからこそ滲み出る言葉が散りばめられていたり、アイドルを通っていない自分でも心から引き込まれる文章もあって、高山一実さんの才能と実力を感じました。
“自分の1番憧れている職業から、自分が求められていないとわかってしまった時、待っていたのは果てのない悲しさと恥ずかしさだった。”
“「初めてアイドルを見た時に思ったの。人間って光るんだって。」”
“一度伸ばした手を引き戻すには、何かを掴むしかなかった。もしくは切断だ。”
そんないろんな感覚的表現が、最後の最後の言葉でワッと花が開く時、めっちゃうまいなぁーと唸ってしまいました。
ちなみに、装画を担当したのはたえ氏。(←クリックすればとびます。)
そんな現役トップアイドルが描く、アイドルを目指す女の子の10年間の詰まった小説。
機会があれば是非、読んでみてください。難解な文章もなく、読書初心者の方でもスラスラ読めると思います。
目先の楽にだまされるな
switch
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