窪美澄先生の最新作、「いるいないみらい」を読む!

窪美澄先生の最新作、「いるいないみらい」を読む!

窪美澄先生の本、「じっと手を見る」が昨年の2018年度の直木賞にノミネートされたことで、その存在感が日々じわりと増している小説家さんですが、本年・・2019年度の直木賞にも「トリニティ」という作品がノミネートされました!!

祝2年連続!!

直木賞発表を前に、「トリニティ」で盛り上がっておりますが、「トリニティ」が発刊されて2ヶ月後くらいかな、新作が出ているんですよ!それが、この本。

「いるいないみらい」という名前の角川書店から出ている小説です!

今回は、「トリニティ」よりも新しく刊行された「いるいないみらい」という窪美澄先生の最新小説を紹介しようと思います。

まずは、窪美澄先生についてです。

 

作家紹介

 

窪 美澄(くぼ みすみ)

1965年、東京都生まれ。

フリーの編集ライターを経て、2009年「ミクマリ」で第8回女による女のためのRー18文学賞大賞を受賞しデビュー。

11年、受賞作を収録した「ふがいない僕は空を見た」で第24回山本周五郎賞を受賞、本屋大賞第2位に選ばれた。12年、「晴天の迷いクジラ」で第3回山田風太郎賞を受賞。

その他の著書に、「クラウドクラスターを愛する方法」  「アニバーサリー」  「雨のなまえ」  「よるのふくらみ」  「水やりはいつも深夜だけど」  「さよなら、ニルヴァーナ」  「アカガミ」  「すみなれたからだで」  「やめるときも、すこやかなるときも」  「じっと手を見る」  「トリニティ」などがある。

「いるいないみらい」の著者の経歴より引用。

 

「いるいないみらい」に付いてた新刊案内の表紙が窪美澄先生でした。

 

 

いるいないみらいを読む。

 

窪美澄先生は、登場人物らのそれぞれの視点から物語を編み込むように小説を書いていくことが多いと思っているので、「いるいないみらい」もそうなんだろうなと、1DKとメロンパンを読了して無花果のレジデンスを読んでみると、それぞれの話が独立した短編集となっていました。

ということで、小説、「いるいないみらい」は短編小説です!

それでは短編集の題名とあらすじを書きながら、本書「いるいないみらい」のあらすじを書いてみようと思います。

 

1DKとメロンパン

子どものいない既婚者の知佳は、知佳の年収の半分の年収しかもらっていない夫、智宏と二人で仲睦まじく生活していた。

そんなある日、知佳の妹の佳菜が出産をしたことを機に智宏は知佳との子どもを生みたいと言う。

自分が妊娠することに、漠然とした不安をもち、今一歩踏み込めない知佳の物語。

 

明日が来ることが楽しみだと、

二人でそう思えるのなら、

もうそれで今は十分なんじゃないかなと、

満月の光を見ながら私は思う。

 

無花果のレジデンス

女には時間がないと急ぎ足で不妊治療をする波恵に追従する形で、子どもを持つということに曖昧な考えしか持ち合わせていない睦生の、物語。

 

妊娠を意識したときから女の人は母親になってしまうのだ。

僕が遅れをとっているだけだ。

僕はまだ自分が父親だという自覚がない。

 

自分の体の見えないところが、

見えないものが、

人よりも少しだけ劣っているということに、

どうして自分はひどく傷ついているのだろう。

 

私は子どもが大嫌い

結婚願望のない茂斗子が、隣の隣に住んでいる子どもを通じて、なぜ子どもが嫌いなのかを突き詰めていく・・

「私は子どもが大嫌いなの」

未来ではなく、子ども、と言ってくれて良かった。

茂斗子はただそう思った。

 

ほおずきを鳴らす

幼い我が子を病気で失い、その傷で離婚を経験した勝俣。

行き詰まった人生に行き詰まるも、一つの出会いによって変化していく・・。

 

救えやしないじゃないか。

何も。

誰も。

 

ありがとうとさようなら。

なぜだか、

成長した千夏にそう言われた気がした。

 

金木犀のベランダ

栄太郎と共に二人で築き上げてきた子羊堂というパン屋。

ある日、栄太郎が持ちかけた養子の話を繭子は拒否してしまう・・。

 

栄太郎という人を得て、

私の人生はどこも欠けていない。

パンのように膨らんで、

甘い香りを放っている。

そのことがただ、

奇跡のようにうれしかった。

 

そんな、子どものいる未来に焦点を当てた子どものいない主人公たちの「家族のカタチ」を模索する5つの物語です。

悲しくて重ためのリアルに、小さな光が照らされて、切ないけれど温かい物語でした。

 

まとめ

 

この本を読んで、「いるいないみらい」とは、「(こどもの)いる(こどもの)いない(それぞれの)みらい」とswitchは捉えています。

 

・もし私に子どもがいなかったら

・もし私に子どもがいたら

それぞれの未来を思い浮かべてみて、負の面を抽出した後に光で照らしたのが「いるいないみらい」だと思います。

 

この本を、いろんな人に読んでもらいたいのですが、特に読んでもらいたいとswitchが思うのは、家族を愛している人たち。

 

この本、「いるいないみらい」は5つの家族のカタチが詰まっています。30代や40代の子どものいない家族の5つの物語ですが、家族のカタチに行き詰まっている人であるならば、家族を愛している人であるならば、家族を大切にしたいと思う作品だと思います。

 

人気急上昇中の窪美澄先生の最新作、「いるいないみらい」!!

是非、読んでみてください!

 

 

未来は不確定だ。

switch