【ロードレース小説】 サクリファイスシリーズ続編、第二弾「エデン」を読む!

こんにちわ。
最近、ロングライドで一人旅をして空気抵抗を減らすことの重要性を改めて理解したswitchです。
ロードバイクのある生活を開始してまだまだ初心者ではありますが、その面白さに惹かれ、ロードバイク沼にはまってしまいました・・今回は、そんなロードバイク沼にはまっているロードバイカーにおすすめする小説第二弾になります!
その名も「エデン」。・・という小説。
なんと、この作品!先日紹介した近藤史恵先生が書いた自転車競技を題材にした本格ミステリー小説、「サクリファイス」の続編なんです!
今回は、そんな「エデン」という自転車競技小説の紹介をしていきたいと思います。
「サクリファイス」を知りたい方は是非こちらを読んでみて下さい↓。
※ サクリファイスを読んでいない人は、以下の文章はネタバレが含まれている可能性があります。ご注意を!
サクリファイスと違うところ
あらすじを紹介する前に、サクリファイスからエデンという作品に進むにあたり、どのようなことが変化したのか、書いてみようと思います。
「エデン」は「サクリファイス」から3年後の世界!
サクリファイスでは、チカ(主人公の白石誓)は大学を卒業して2年目という設定でしたが、エデンではそこから3年後の世界(スペインで2年を経てフランスへ)となっております!
なので、おそらく27歳を迎えた社会人5年目のチカの物語です。
チカがフランスのチームに在籍している!
サクリファイス時代では、チカは日本のトップチームに在籍していて、サントス・カンタンというスペインのチームから誘いが来たところで物語が終わったのですが、今作ではサントスカンタンというコンチネンタル・プロチームからパート・ピカルディというグランツールに出場できるレベルのフランスのプロチームに移籍して1年目の物語です。
チカがツール・ド・フランスを走る!
なんと言っても、エデンの舞台はツール・ド・フランス!
サクリファイスよりもスケールが大きくなっております。
それでは、次にあらすじをswitchなりに書いていきたいと思います。
あらすじ
さきほど、【サクリファイスと違うところ】でも紹介しましたが、エデンの物語ではチカがグランツールに出場できるチームに移籍して1年目の物語です。
それだけ読んでしまうと、チカがそれだけ凄い選手(日本自転車競技から見ても、誰が見てもそれだけでも本当に凄いのですが・・!)に感じてしまいますが、チカはチカで世界の頂点を狙えるようなチームに入ってしか味わえない自分の能力や才能に対して絶望を感じています。そこがエデンの由来ですね・・。
そんな状況にチームのスポンサーが年内で撤退することが決まってしまい、今回のツール・ド・フランスで良い成績を残さなければスカウトにかからずに、そのまま日本に帰らないといけなくなってしまう状況に陥ってしまいます。
しかし、チカはアシスト。エースを勝たせてこその役割。つまり、良い成績なんて出しにくい役割なんですね。そんな状況で激しく揺れるチカ。それに、チームとして機能していないことも追い打ちをかけていき・・。
チカはツール・ド・フランスのことをこう言っています。
はじまるのだ、と思った。
泣きたくなるほど苦しいことはわかっているのに、それでも胸の高鳴りは抑えられない
果たして、チカはツール・ド・フランスという世界最高峰の自転車競技レースで良い成績をおさめることができるのでしょうか・・。そして、次の移籍先が見つかるのでしょうか・・。
登場人物
白石 誓 【しらいし ちかう】・・主人公。愛称チカ。自分のチームのエースであるミッコをアシストするために、ツール・ド・フランスに出場する。
ミッコ・コルホネン・・ フィンランド人。日本人以上に真面目でストイックな選手。チカの所属するチーム、パートピカルディのエース。タイムトライアルに強い。
ニコラ・ラフォン・・ 今年プロになったばかりの若手選手。ツール・ド・フランスの前哨戦といわれるツール・ド・スイスで総合優勝。170センチに満たない身長に親しみやすい童顔。フランスの童話のキャラクターに例えられてプチ・ニコラというあだ名がついている。フランスの星。
只野深雪【ただの みゆき】・・ OLから自称写真家へと転職したフォトグラファー。ニコンの一眼レフを持ち、ツール・ド・フランスで戦う選手たちの写真を撮る。
チカ曰く、長い髪を後ろで束ねた縁なし眼鏡の美人。
マルセル・・ チカのチームの監督。日本人のチカやフィンランド人のミッコを気にかけているが、スポンサーの撤退は同時に監督もスポンサーを探さねばならない状況に陥る。
ドニ・ローラン・・ ニコラと同じクレディ・ブルターニュ所属の選手。ニコラとは子供の頃から自転車仲間。
マルケス・・ チカがサントス・カンタンに所属していた時の同僚。現在は優勝候補のエスパス・テレコムに所属。※ サクリファイス参照。
伊庭和美【いば かずみ】・・ チカが日本にいたころの同僚。今作では電話のみで登場
伝えたい5つのこと
エデンを読んで、印象に残った5つのことを書いてみようと思います。
① チカのロードレーサーとしてのキャリアが上がっている!
サクリファイスではほとんど日本が舞台でしたが、その3年後の世界であるエデンではグランツールで優勝を狙えるチームに入っています。
チカはアシストなのでチカ本人が総合優勝を狙うわけではありませんが、なんだか、サクリファイスを読んでいるswitchからすれば、その成長に夢やロマンがあって、シリーズとしての面白みに厚みが出てきます。
② 自転車競技界の残酷さ
ロードレースは脚力や持久力だけではなく、回復力を競うスポーツでもある。
毎日二百キロ近く走るのは、どの選手も同じ。だからこそ、夜の間にきちんと体力を回復させた選手だけが勝利をつかむことができる。
ぼくに力をくれた人がいる。その力は、ときに翼のようにぼくを軽やかにしたけれど、同時に呪いのようにぼくの背中に張り付いている。
そんな自転車競技の過酷さを本作では嫌というほど書いているので、自転車競技レースがどれだけ過酷なスポーツなのかを知ることができます。
③ チカの覚醒
サクリファイスの物語(チーム・オッジ)では、赤城選手のようなオールラウンダーになりたいと言っていたチカですが、自転車競技の最高峰レースのツール・ド・フランスの舞台でクライマーとしての素質を開花させます。
とにかく、優柔不断に見えるチカですが、めちゃめちゃかっこいい場面がありました!
④ 今作はミステリーではなく、本格自転車競技小説
「サクリファイス」ではミステリー感の強い作風でしたが、「エデン」では、本格自転車競技小説へと昇華しております。なので、前作よりもチカの人間性がより書かれている気がして、その熱量は前作以上なのではないかと・・。
⑤ 誰が読んでも面白い!
前作のサクリファイスもあまりのテンポの良さにすぐに読了してしまったswitchですが、今回読んだエデンもすぐに読み終えてしまいました。
ロードバイクを知らなかった頃のswitchが読んだ頃もすぐに読み終えていたので、自転車を知らない人でも十分に引き寄せられる作品だと思います。
まとめ
サクリファイスシリーズの第二弾「エデン」を紹介させて頂きました。
シリーズなので、第三弾、第四弾もあるのですが、本を紹介するって結構大変だということを改めて感じております。
また、サクリファイスシリーズは結構古い作品なので、最新巻コーナーには置いておらず、ブックオフなんかの中古本コーナーに置いてあると思われます。
是非、見かけた時は手にとって読んでみてください!
楽園に到達するのは難しい。だが、そこに居続けるのはもっと困難だ。
switch
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